CRMと顧客満足の経営
経営
CRM
顧客満足の創出
-Customer Relationship Management-
経営
- 2015.07.06 -
CRMと顧客満足の考え方
CRMの定義は、視点・国等によって、様々です。
(CRM=Customer Relationship Managementの略)
簡単に説明すれば、以下のような意義です。
「顧客ごとに最適なマーケティングを施し、顧客満足ひいては、企業利益を高める手法」
では、中小企業において、どんな方法があるでしょうか。
具体例を交えながら、顧客満足やCRMのポイントを見ていきます。
CRMと顧客満足の重要性
顧客へのアプローチ手段や対象は様々です。
中小零細企業における、従来型手法/対象の例は以下のとおりです。
- ・看板、折込等の有料広告
- ・人的営業
- ・口コミ
- ・既存客への紙面アンケート
しかし、近年、IT技術の発達により、アプローチ手段/対象は増加しました。
具体例は以下のとおりです。
- ・Webを媒体とした無料広告、ポータルサイト
- ・電子決済/拡張ポイントカード機能
- ・ソーシャルメディア等による双方向的コミュニケーション
従来、企業→顧客へのアプローチは、一方通行的なものが比較的多く存在しました。
しかし、消費者が得られる情報・手段が多くなった今、様相は変化しています。
選択の主導権は、もはや消費者側に移ったといえるかもしれません。
目の肥えた消費者・顧客を満足させるためには、個別対応が必要になります。
しかし、完全個別対応は、企業資源の有限性上、現実的ではありません。
ターゲット層を識別し、それぞれに適切な対応を施すことで、顧客満足と収益性を高める。
それが、今後のCRMに必要になってくると思われます。
CRMにおける、顧客の識別
CRMにおいては、まず顧客を識別することが大切です。
ここで、よく使われる概念が、パレートの法則(20:80の法則)です。
売上を例に、簡単に説明すれば、以下のとおりです。
「売上の80%は20%の優良顧客により形成されている」
優良顧客と、非優良顧客とで、実施すべきマーケティングは、同じで良いでしょうか。
また、新規と既存客とでは?
それぞれに適した施策を実施するためにも、まず顧客の識別を行います。
CRMにおける、RFM分析という方法
CRM/顧客の識別には、RFM分析という手法が参考になります。
RFM分析は、購買日、購買頻度、購買金額、の3つの観点から分析する手法です。
- ・R:Recency(最新購買日)
- ・F:Frequency(累計購買回数)
- ・M:Monetary(累計購買金額)
3つの切り口から分類できますが、うち重要な2つをフォーカスして分類することもあります。
どの切り口を選択するかは、取扱い商品/業種等により異なります。
例えば、フィットネスジム経営の場合で考えてみます。
フィットネスジムでは、レギュラー会員を獲得することが安定経営につながる一要素です。
個人毎の会員単価に大きな乖離が無ければ、R/Fのみで分析するのも良いかもしれません。
以下は、分類例です。
分類 | 項目 | ランク |
---|---|---|
R (直近入会日) |
1クール以内 | 5 |
2クール以内 | 4 | |
3クール以内 | 3 | |
4クール以内 | 2 | |
5クール以上 | 1 | |
F (会員年数) |
5年以上 | 5 |
3年以上 | 4 | |
1年以上 | 3 | |
半年以上 | 2 | |
半年未満 | 1 |
上記例で、1クール以内、5年以上だと、ランク:5×5、となります。
なお、上記パレートの法則を応用するならば、上位20%にランク5/4評価を与えます。
R:5×F:5の顧客層(A)は、非常にロイヤリティが高いかもしれません。
R:2×F:4の顧客層(B)は、フィットネスに高い関心を持っているかもしれません。
R:1×F:1の顧客層(C)は、顧客になる見込みがほぼ無いかもしれません
であれば、上記ABCそれぞれに行うマーケティング例は以下のとおりです。
- ・A:個別指導等、VIP顧客限定の高付加価値メニューへ誘導
- ・B:最新マシン導入情報等、DM発送強化
- ・C:何ら広告費を使用しない
優良顧客は、企業にとって安定経営に欠かせない存在です。
もし、優良/非優良顧客とを識別対応していない場合、どうなるでしょうか。
顧客満足の低下、ないし、優良顧客の離反も考えられます。
顧客層ごとに最適な接点を持つことが、CRMのポイントです。
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