アンカリング・コントラスト効果とは
経営
初見の価格がアンカー(碇)に
高く見せて安く感じさせる
-サルでも分かる行動経済学-
経営
- 2016.04.01 -
アンカリング・コントラスト効果とはどんなものか
人な何かを基準にモノを考える習性があります。
この「何か」をアンカとして認識し、損得勘定を行ないます。
中でも、商品・サービス価格に対して作用する効果をアンカリング効果といいます。
具体例
貴方は子供が幼稚園で使うカスタネットを買いに楽器店に来ました。
ところが、学習用カスタネットに関する知識・相場感がないため、店員にアドバイスを貰いました。
すると店員はパンフレットを持ってきて『平均的なものは10,000円位ですね。』と教えてくれました。
と同時に、『ですが、こちらのカスタネットなら5,000円ですよ。』とも紹介されました。
貴方は値ごろ感を持って、5,000円のカスタネットを買いました。
なぜ、このような心理が働くのか
商品を購買するとき、人は何かと比べて高いか安いかを判断します。
この何かとは、自分の経験や収集した情報が主となります。
例えば、自販機の缶ジュースは過去の経験から150円程度という相場感を持っています。
そこで、250円のエナジードリンク等が発売されると、それは高いと感じることになります。
他方、幼稚園児用カスタネットは初めて買う商品のため、幾らが適正価格なのかが分かりません。
- ・幼稚園児が口に入れても問題ないよう、特殊加工されているかもしれない
- ・学校指定のため高価な特注品となっているかもしれない
等、経験のない商品だと相場感が全くわからない場合があります。
その場合、最初に提示された価格が基準(アンカー)となり、それより安ければ安いと感じ易くなります。
これが行動経済学におけるアンカリング効果です。
アンカリングと似た効果=コントラスト効果
アンカリングと似た効果でコントラスト効果というものがあります。
コントラスト効果は、最初に見たものと2番目に見たものに大きな差があれば、実際以上に大きなものと認識してしまう効果です。
このテクニックは不動産セールスで使われる場合があります。
例えば、A)築20年:3,000万円の物件を紹介された後、B)築20年:2,000万円の物件を紹介されたら、Bを安く感じることはないでしょうか。
しかし、実際には、築20年:2,000万円を単体で見ると高かったりします。
また、最近人気の某外資系スーパーマーケットでは入り口に1千万円以上するダイヤモンドが売られています。
そして、その裏には1万円の宝飾品が売られているのですが、思わず消費者は「安い!」と思って買ってしまうそうです。
通常、1万円でもスーパーマーケットでは高価過ぎて買わないんですけどね。。
行動経済学では、このような心理テクニックを利用したセールスが随所に見受けられます。
消費者の立場からすると、未知の商品を買う場合は、即決しないことが無難とも言えます。
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